お知らせ
3.132023
スマートグリーンハウスAWARD2023優秀賞受賞者について
2023年1月31日に開催の令和4年度スマートグリーンハウス展開推進 スマートグリーンハウスシンポジウムにて発表いたしました、スマートグリーンハウスAWARD2023優秀賞受賞者のプロフィールを紹介します。
仙頭明伸氏(せんとうふぁーむ 代表、高知県安芸市、34歳)
〇経営概要・経歴
・ナス土耕栽培・養液土耕栽培(72a)
・主な販売先:業務用にバラ出荷での年間固定単価契約販売、および青果市場への販売。
・農家の男3兄弟の長男として生まれ、21歳で就農。25歳で地元ナス部会副部長就任(現在は退任)、28歳で高知県青年農業士認定、31歳で高知県園芸展示品評会野菜部門優秀賞受賞。
・新設ハウスでは低コスト化を心がける。台風や竜巻の被害が多い地域であり、アーチパイプを32mmにし強度確保しながら、ハウスの設備類は必要最低限(谷換気、平張り保温カーテン1層)とし、天窓、暖房機、CO2発生装置、カーテンの各制御機器は省略し、自作型の統合環境制御機器を地元業者の協力を得て設置し、統合環境制御を1棟当たり50万円程度で導入した(当時の価格)。
〇現在のデータ活用の取組み
・親元就農後、自分の技術を高めるため、地区の勉強会(新施設園芸研究会)に飛び込み参加、環境データの見方などを学び、植物の状態に応じたハウス環境の整え方を実践。
・隣接する新設の単棟ハウス3棟計30aについて、統合環境制御を暖房機3台、CO2発生装置3台、他に換気装置12台、カーテン装置3台について行い、日射比例潅水装置を用いている。また低軒高ハウス5棟ではモニタリング装置を導入しながら、暖房機、換気装置、CO2発生装置、日射比例潅水装置を個別に制御している。
・生産性管理のアプリケーションAGRIOSを1年運用し、栽培情報の蓄積の重要さに気が付く。その後、アプリをAGRIHUBに切り替え、農薬履歴、収量記録、作業内容(潅水や管理作業など熟練の勘など)を6人の従業員に共有し、また日常の業務連絡にチームLINEも使い、自分がハウスにいなくても従業員だけで管理が出来る仕組みを作って行っている。
・特にチーム力を大切にし、全員で目標収量を共有し、目標に対しての進捗具合などを日々の会話の中で確認している。昨年実績は21t/10a、今年は年内収量が7t~8.5t/10aを超え、最終で25~27t/10aをめざしている。
〇現在の課題・解決策
・現在の地域では、栽培可能な土地が少なく、ハウスも分散しているため、規模拡大も難しいが、現在の第一拠点(新設ハウス30a)に加え、今後は土地が見つかれば第二拠点も必要と考える。施設の低コスト建設や自前でのメンテナンスなどのノウハウはあり、規模が拡大しても栽培や労務面の問題はないと考えている。
・販売面では買い手市場であり生産者側の立場がまだ弱い。今後は消費者に近い地域での生産や、業務向けの加工工場なども考えたい。
・代表一人で、バックオフィス業務をすべて背負っているため、今後は事務のプロが必要と考える。
〇10年後に目指す経営と展望
・拠点を増やし、最低限のスペックで低コストでの施設建設をし、今後もその方向で規模拡大をしたい。
・経営環境はますます厳しくなるだろうが、危機感を持った栽培、地域の主要品目以外の作物に取組むなど、さらにレベルの高い生産者や組織が増えていくと考えている。将来は、人をひきつける魅力を持つ経営者になり、集まる仲間と共に方向性をこれから一緒に考えていきたい。
・販売面では、農産物が末端に届き、必ず消費者の口に入る様な仕組みを考えたい。
※以上の内容は2022年12月時点のものです。
参考URL
・せんとうふぁーむWebサイト https://sentofarm.com/
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