安全設計標準仕様と構造診断・低コスト耐候性ハウス
日本施設園芸協会では、施設園芸用温室・ハウスについて、「園芸用施設安全構造基準(暫定基準)」に基づき、施設の安全性について診断と指導を実施しています。
園芸用施設設計施工標準仕様書
施設園芸の安定的な経営及び施設の安全性を確保するため、園芸用ハウスには一定の耐風性・耐雪性等の基準が必要です。一方、人が居住等に使用するものではないので、建築物のような高い強度を求めることはできません。このため、当協会では、園芸用施設(ハウス)の任意の基準として、これまで「園芸用施設安全構造基準(暫定基準)-平成9年版―」、「園芸用施設安全構造基準―平成28年版―」を作成してまいりましたが、風洞試験など最新の試験研究の結果などを取り入れて見直し、令和元年5月に「園芸用施設設計施工標準仕様書」をとりまとめましたので、ご活用ください。
→詳しくはこちら(園芸用施設設計施工標準仕様書目次.pdf)
園芸用ハウスを導入する際の手引き~適切なハウスの強度と仕様を選ぶために~
農家の皆さんが、園芸用ハウスの導入する際、台風や大雪等による施設の損壊リスクを回避するとともに、生産性の向上とハウスの設置コストの低減を図ることが重要です。そのためには、農業者の皆さんが、メーカーや農協・販売店等とよく相談し、ハウスを設置する地域や自らの目指す経営に照らして、適切なハウスの強度と仕様を選ぶことが大切です。そこで、2019年3月に、当協会と全国農業協同組合連合会、(公社)日本農業法人協会、全国野菜園芸技術研究会が協力して、園芸用ハウスの強度と仕様を選ぶ際の考え方をわかりやすくまとめた手引きを作成しましたので、ご活用ください。
→手引き本体はこちらをご覧ください。
→園芸用ハウス設計条件(積雪深、風速)に係る付表についてはこちらをご覧ください。
園芸用施設安全構造診断
日本施設園芸協会では、施設園芸用温室・ハウスについて、「園芸用施設設計施工標準仕様書」に基づき、施設の安全性について診断と指導を実施しています。昭和48年度からの診断指導実績は260件を超えており、診断を受けた皆様から高い評価を受けています。診断指導を担当する委員は、温室・ハウスの構造に精通しているベテラン揃いで、丁寧な診断指導をモットーに対応しております。
低コスト耐候性ハウス
日本の園芸用施設の多くは、建築構造的に脆弱なパイプハウスで占められており、毎年、台風や豪雪により大きな被害を大きな被害を受け、施設園芸農家の経営を不安定なものにしています。1999年の台風18号による熊本県の大災害を契機に、農林水産省から低コスト耐候性鉄骨ハウスの開発要請があり、当協会が中心となって検討し、2001年3月に風対策,2002年3月に雪対策の施工マニュアルを作成しました。このマニュアルに従って設計施工されたハウスについては、低コスト耐候性ハウスとして農林水産省の補助事業の対象として普及が進められています。